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パンの耳とトライフォース

 筋書きがあってそれに則った食パンの耳をかじるのは実に退屈なラットの前屈運動みたいなもんで、複数の遺伝子をノックアウトしたラットの親等からエンゲル係数を求めると血縁度が1近くなることが判明する。

 巨大な地下賭博場にも、コンビニは存在していて、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートがしのぎを削っており、ここ1ヶ月で店員が頭から血を吹いて倒れた事件が確認されているだけでも、7件あった。

 1店舗の売上高は大体2兆と6000億円ほどで、これは大阪府の1年の県内総生産額とほぼほぼ同じくらいである。

 というのは嘘で、実際どれくらいの規模なのか僕は知らない。数値としてそれくらいのイメージで、人間に換算すると1日に70億人ぶち殺したとしても、2600日かかる。地球人口のほとんどを2600回殺してようやく辿り着く数字が2兆6000億というわけだ。2600日というと7年ちょっと。7年というと、ゼルダの伝説時のオカリナにおいて子供リンクが大人リンクに成長するまでの期間がちょうど7年だ。子供リンクは8歳から9歳くらいであろう。小学3年生の精神のまま、高1になってしまった大人リンクは周囲との人間関係で悩み非業の死を遂げるのだ。

 その非業の死を追う韓国人のフリーライターがいつしか地下賭博場の存在に気づき、ローソンのアルバイト店員として賭博場に潜り込む。元々地下賭博場のコンビニで働けるようなコンビニ店員は、よほど才気に溢れたコンビニ店員のみで、リアルキセキの世代みたいな超天才のみが到達できる世界であった。

 だが先月ローソンの店員が大量にファミリーマートに引き抜かれるという大事件があった。その穴を埋めるようにして、韓国人フリーライターは地下賭博場に潜り込めたのだった。

 地下賭博場に筋書きはない。食パンは必ず耳から食べなければならない、というような厳格なルールはそこに存在しないのだ。我々が食パンの耳を避けようとするとき、我々は必ず食パンを二つに折らなければならない。そうでなければ、食パンを耳以外の部分から食うことはできない。ただし、食パンの生地の部分を上から食うといった姑息な行為は認められない。

 我々は今時オカ以降のリンクではなく、神トラ以前のリンクであると考える必要があるのだ。つまり上から飛び出して食うことはできない。パンをぐるりと一周すると、どこまでも耳が存在する。耳を食わないためには、何者かが画面の外からパンを二つに折ってくれなければ、二次板平面上に存在する神トラリンクは生地から食らいつくことはできんのだ。人生とか運命とかには常々このような場面が存在して、原理的に自分ではどうしようもならない状況が存在するのだ。誰かが画面外から、パンを二つに折ってくれないと、どう足掻いたってパンの耳をかじってから、生地を食べるしかない。

 僕らが地下賭博場に足を踏み入れるには、画面外の誰かがパンを二つ折りにするかのごとく、何者かが僕らの世界に介入してくれる必要がある。

 僕らはその何者かの介入をただ待ち続けていればよく、自ら筋書きに則った行動をする必要なんて、少しもないのだ。

 

2017.2.5 17:54