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 就活だとか、研究だとか、心配しつつも愉しみにしていたものは遠のいた。常々思うことだが、僕はまず勝負の土俵にすら乗せてもらえないということがすごく多い気がする。具体的に何が、と言われるとまあ思いつかないわけだが感覚として、「あれなんだかこの感覚前に味わった」ということは多い。何の小説だったか忘れたが、窓格子の向こうの美少女に思いを寄せる若い使用人の男が、ある日金持ちの中年に少女がつれていかれるのを目撃してしまう。そんな喪失感。その若い使用人は、勝負の土俵にすら立てていないのだ。彼女と自分は窓格子に遮られているのだから。隙間から覗くことしか叶わず、自分は暗い室で肉体労働に従事するしかない。そして現代の感覚からすれば、家畜の餌としか思えないような食事と、短い睡眠が与えられる。健康は遠のく。幻も遠のく。僕の内的世界に現実を差し込ませるような真似は止めて欲しい。誰にもしてほしくない。

 

2017.02.09 20:41